宇宙だけではない宇宙の本

『宇宙の話をしよう』は宇宙の本ですが、宇宙だけの本ではありません。

将来これを読んで宇宙開発に携わる少年少女が、ひろく人類の利益のために活躍してほしい。 そういう思いから、ミサイル、原爆、奴隷貿易などの話も織り交ぜました。

世の中は複雑です。映画のように善が悪を倒してハッピーエンド、だけの世界ではありません。それは宇宙開発も同じです。軍事技術と切っても切れない関係にあるからです。栄光の影には暗く悲しい歴史もありました。

子どもたちに宇宙のことを語るとき、ダークな面を隠し、キラキラとした面だけを見せるのが正しいとは思いません。

本書の第二部は、天才ロケット技術者、フォン・ブラウンにスポットライトを当てます。彼は元はナチス・ドイツの技術者で、第二次大戦中に世界初の弾道ミサイルV2を開発し、恐怖と悲劇を生みました。戦後、彼はアメリカへと亡命し、ミサイルの技術を応用してロケットを作りました。アメリカ初の人工衛星エクスプローラー1号を打ち上げたロケットも、人類をはじめて月に送り込んだロケットも、フォン・ブラウンが開発を率いました。

本の最後で、ミーちゃんはパパにこう聞きます。

「結局さ、フォン・ブラウンっていい人だったのかな、悪い人だったのかな?」

本はこの問いに答えを与えません。子どもたちが自分で考えて欲しいと思うからです。

みなさんも、お子さんと一緒に考えてみてください。

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