はやぶさ2は2014年12月に打ち上げられ、3年半かけて小惑星(しょうわくせい)リュウグウに到着しました。

(画像:JAXA)

しかし帰りは2019年11月に出発し2020年12月に地球帰還(きかん)ですから、1年ちょっとしかかかっていません。

どうして行きと帰りで、こんなにかかる時間が違うのでしょうか?東京から大阪へは3時間半だけれども大阪から東京へは1時間で行ける、なんていうことはありませんよね。

ざっくり言うと、地球には大気があるがリュウグウにはないからです。

なぜ大気のあるなしが、行きと帰りの時間に関係するのでしょう?

地球とリュウグウは太陽系の非常に近い位置を回っていますが、その速度は大きく違います。正確な数字は持っていませんが、だいたい毎秒数キロメートルは違うはず。ちなみに毎秒1キロメートルは時速3600キロメートルです!

地球からリュウグウに行くとき、ただリュウグウがいる場所に行くだけでは、走っている新幹線(しんかんせん)に飛び込むようなものです。時速何千キロメートルで突っ走る小惑星に当たって、はやぶさ2は粉々(こなごな)に壊(こわ)れてしまいます。

ではどうしたらいいかというと、イオンエンジンを何年にもわたって噴射して、太陽の周りをぐるぐる周りながら、少しずつ、少しずつ、速度をリュウグウに合わせるのです。つまり、「行く」のに3年半かかったというよりも、リュウグウと速度を合わせるために3年半かかったのです。

では、どうして帰りは1年なのか。リュウグウから見れば、地球も時速数千キロで宇宙を突っ走る新幹線です。しかし地球ならば、飛び込んでも大丈夫なのです。

なぜかって?それは、大気があるから。地球の大気圏に時速数千キロで突っ込むと、猛烈(もうれつ)な空気抵抗(くうきていこう)でブレーキがかかり、地面に激突(げきとつ)する前に地球と速度が一致(いっち)するのです。超高速で帰ってくるはやぶさ2の帰還(きかん)カプセルの運動(うんどう)エネルギーは、空気抵抗で熱(ねつ)エネルギーとなり、流れ星のように明るく光り輝(かがや)くのです。

12月6日にオーストラリアの空に輝く光は、はやぶさ2がリュウグウから持って帰ってきた運動エネルギーなのです。

Image: NASA Ames / Jesse Carpenter / Greg Merkes

 

 

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