明日、NASAの火星ローバー・パーサヴィアランスが着陸(ちゃくりく)します!そのひみつをわかりやすくかいせつします!

1. なにをしに火星に行くの?

火星に大昔にいたかもしれない生物の証拠(しょうこ)をさがすためです!40億(おく)年から35億前、火星の表面には水がたくさんありました。空気も濃(こ)くて温暖(おんだん)でした。そのころ、地球には生命が生まれていました。ならば、昔は地球とよく似た惑星(わくせい)だった火星にもいたかもしれませんよね!

そしてパーサヴィアランスは、地球にもって帰るための火星の岩や砂のサンプルを採取(さいしゅ)し、試験管(しけんかん)に入れて置いていきます。次の火星ローバーがそれを拾い(ひろい)、地球にもって帰ってくる予定です。

その中から大昔の火星の生物の証拠が見つかれば、それは歴史に永遠(えいえん)に記憶(きおく)される大発見になるでしょう!

2. 火星のどこに行くの?

ジェゼロ・クレーターという場所に行きます。直径50キロメートルほどのこのクレーターは、昔は湖でした。その湖に西から注ぎ込む川がありました。その河口(かこう)に、大昔の三角州(さんかくす)が残っています。そこがパーサヴィアランスの目的地です。ここに行けば、川が集めてきた上流の土砂(どしゃ)が集まっているので、たくさんの情報(じょうほう)を得(え)られるからです。

ジェゼロ・クレーターは火星の赤道近くにあって、緯度(いど)は地球のインドくらいです。下の火星の地図から、ジェゼロ・クレーターを見つけられますか?

火星の地図ー『宇宙の話をしよう』より

3.どうやって着陸するの?

火星の空気は地球の100分の1しかないため、着陸は難易度(なんいど)はとても高いです。

パーサヴィアランスは時速2万キロメートルものスピードで火星の大気に突入(とつにゅう)し、火の玉になりながら減速します。

次に超音速(ちょうおんそく)パラシュートを開きます。でも、空気が薄(うす)いため、時速350キロメートルまでしか減速できません。そこでロケットを逆噴射(ぎゃくふんしゃ)して速度をゼロまで落とし、上空20メートルでホバリングします。そこから紐(ひも)で吊るしてローバーを地面に下ろすのです。

火星への着陸ー『宇宙の話をしよう』より

4.どうやって走るの?

パーサヴィアランスはとてもゆっくり走ります。スピードはたったの時速0.15キロメートル!アリの歩く速さが時速0.3キロメートルほどなので、その半分しかありません。

火星ローバーは使える電力が限(かぎ)られている上に、岩にぶつかるなどして壊(こわ)れたら直しに行けないので、ゆっくり、ゆっくり走るのです。

ゆっくりですが、最先端(さいせんたん)の自動運転(じどううんてん)機能(きのう)が搭載(とうさい)されています。人間の指示(しじ)なしに、ローバーは自分で危ない岩などをよけて走ることができます。これを書いている筆者(ひっしゃ)も自動運転の開発(かいはつ)に携(たずさ)わりました!

5. ほかにどんなことをするの?

パーサヴィアランスは、ヘリコプター(ドローン)を火星に連れて行きます。もし成功すれば、史上(しじょう)はじめての地球以外の場所で動力飛行(どうりょくひこう、自力で飛ぶこと)になります!

火星ヘリコプターは「インジェニュイティ (Ingenuity)」という名前です。英語で創意工夫(そういくふう)という意味です。飛行はパーサヴィアランスの着陸後3ヶ月以内に行われる予定です。

もっと知りたい宇宙っ子はこちら。先日、全国学校図書館協議会選定図書に指定されました!