きのうのはやぶさ2の帰還(きかん)、見ましたか?ロサンゼルスは朝だったのですが、手に汗(あせ)握(にぎ)って見ていました!

なぜサンプルリターンが重要(じゅうよう)かは、宇宙小話の一回目に書いた通りです。では、はやぶさ2が持って帰ってきたサンプルから何が分かるのでしょう?地球もリュウグウも同じ太陽系の兄弟星。それなのに、リュウグウの石には、地球の石にはない何かがあるのでしょうか?

この質問(しつもん)にはたくさんの答えがあります。一つだけ、ここに書きましょう。

46億(おく)年前、太陽系ができたばかりのころの情報(じょうほう)が、リュウグウのような小惑星(しょうわくせい)の石に残(のこ)っているのです。

太陽系は46億年前にできました。ほどなくして小惑星も地球もできました。地球もリュウグウも火星もみんなほぼ46億歳、同い年。

しかし、地球のどこをさがしても、30億年よりも古い石はめったに見つかりません。スーパーサイヤ人のようなものです。

なぜかというと、地球が「生きている」惑星だからです。火山が噴火(ふんか)して新しい石が作られる一方、古い石はプレートといっしょに地球の中にしずみ込んで溶(と)かされ、再利用(さいりよう)されます。雨や風で砕(くだ)かれてしまいます。さざれ石が巌(いわお)となり苔(こけ)もむします。

ところが月や火星に行くと、30億年のバーゲンセールです。ベジータが「スーパーサイヤ人のバーゲンセールだ」とあきれた感じです。どの石をひろってももれなく30億年モノ。なぜかというと、月や火星は遠い昔に「死んで」しまったから。火山活動や地殻活動(ちかくかつどう)は現在はほとんどなく、雨もふらず、火星では風による侵食(しんしょく)がわずかにあるくらいです。40億年前の地層(ちそう)もめずしくありません。

それでも、大昔は月も火星も「生きた」星でした。火山も溶岩(ようがん)もありましたし、火星の場合は水も濃(こ)い大気もありました。ですから、月や火星ができたころの情報がそのままあるわけではありません。

ところが。惑星の「なりそこね」とも言える小惑星には、もちろん火山も雨も風も、できた頃からありませんでした。そしてほとんどの小惑星は、太陽系ができた46億年前そのままの姿をしていると考えられています。

つまり、小惑星は太陽系の「化石」なのです。

リュウグウから届(とど)いたサンプルは、人類が手にした最古(さいこ)の試料(しりょう)のひとつとなるでしょう。

それを調べることで、太陽系が生まれたころの姿(すがた)が見えてくるのです。

(画像:JAXA)

 

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